フリーランスになったら知っておくべきことは?

フリーランス初年度にやること一覧

会社員からフリーランスになると、税金や保険の手続きをすべて自分で行う必要があります。

開業から確定申告まで、時系列でまとめます。

時期やること
開業直後開業届の提出
開業直後青色申告承認申請書の提出(希望する場合)
退職後すぐ健康保険の切り替え手続き
退職後すぐ国民年金への切り替え手続き
翌年2〜3月確定申告の提出
注意 健康保険と国民年金の切り替えは、退職後14日以内が期限です。遅れると未加入期間が生じます。

開業届を提出する

フリーランスとして事業を始めたら、税務署に開業届(かいぎょうとどけ)を提出します。 正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。

提出先と期限

  • 提出先:住所地を管轄する税務署(または国税庁のe-Taxでオンライン提出も可能)
  • 期限:事業を開始してから1か月以内

開業届の提出は無料で、罰則はありません。 ただし、青色申告(あおいろしんこく)を利用したい場合は、開業届と合わせて別の申請書が必要です。

ポイント 青色申告承認申請書は、開業日から2か月以内に提出します。最大65万円の特別控除が受けられるため、早めに申請することをおすすめします。

確定申告の義務が生じる

会社員は会社が年末調整を行いますが、フリーランスには年末調整がありません。 毎年2月16日から3月15日の間に、自分で確定申告(かくていしんこく)を行います。

確定申告が必要な所得の目安

事業所得(じぎょうしょとく)が年間48万円を超えると、原則として確定申告が必要です。 これは所得(収入から経費を引いた金額)が基礎控除の48万円を超えた場合に該当します。

事業所得 = 売上(収入) − 必要経費

青色申告と白色申告の違い

確定申告の方法には2種類あります。

種類特徴最大控除額
青色申告帳簿の記録が必要。控除額が大きい65万円(e-Tax利用の場合)
白色申告記帳が簡易的でよいなし

手間はかかりますが、青色申告のほうが節税効果が高くなります。

補足 青色申告65万円控除を受けるには、複式簿記(ふくしきぼき)での記帳とe-Taxでの申告が必要です。会計ソフトを使うと記帳の手間を減らせます。

健康保険を切り替える

会社員のときは会社の健康保険(社会保険)に加入していました。 フリーランスになると、自分で保険を選ぶ必要があります。

選べる保険の種類

種類内容
国民健康保険住んでいる市区町村の保険。所得に応じて保険料が変わる
任意継続被保険者制度退職後も最長2年間、会社の保険を継続できる
フリーランス協会の保険団体保険に加入する方法(選択肢の一つ)

どちらが安くなるかは所得額によって異なります。 退職前の年収をもとに試算してから選びましょう。

国民健康保険への加入手続き

退職日の翌日から14日以内に、住んでいる市区町村の窓口で手続きをします。 持ち物は会社の健康保険の資格を喪失(そうしつ)したことを証明する書類です。

注意 国民健康保険は前年の所得をもとに保険料が計算されます。会社員時代の収入が高かった場合、初年度の保険料が高くなることがあります。

国民年金に切り替える

会社員のときは厚生年金に加入していました。 フリーランスになると国民年金(こくみんねんきん)の第1号被保険者になります。

手続き先と期限

  • 手続き先:住所地の市区町村窓口または年金事務所
  • 期限:退職後14日以内

2026年の国民年金の保険料は月額16,980円です(毎年見直されます)。 厚生年金と違い、全額自己負担になります。

保険料の免除・猶予制度

所得が少ない場合、申請により保険料の免除や猶予が受けられます。 免除期間も年金の受給資格期間にカウントされます(受給額は減る場合があります)。

補足 iDeCo(個人型確定拠出年金)は、フリーランスも加入できます。掛金が全額所得控除になるため、節税効果が高い制度です。

税金の支払いに備えて積み立てる

フリーランスは、所得税・住民税・国民健康保険料をすべて自分で納めます。 税金の支払い時期に慌てないよう、収入の一部をあらかじめ積み立てておきましょう。

目安として、売上の20〜30%を税金・保険料の備えとして別管理することをおすすめします。

所得税の予定納税

前年の所得税が15万円を超えた場合、予定納税(よていのうぜい)の制度が適用されます。 7月と11月に分けて、前払いで所得税を納めます。

ポイント 事業が軌道に乗ってきたら、小規模企業共済(しょうきぼきぎょうきょうさい)への加入も検討しましょう。掛金が全額所得控除になり、老後の備えにもなります。

消費税とインボイス制度

開業から2年間は原則として消費税の免税事業者(めんぜいじぎょうしゃ)になります。 ただし、取引先の状況によってはインボイス登録を求められる場合があります。

インボイス登録をすると課税事業者(かぜいじぎょうしゃ)となり、消費税の申告・納税が必要です。 登録するかどうかは、取引先の要望や自分の売上規模を考慮して判断します。

まとめ フリーランスになったら、開業届の提出・健康保険の切り替え・国民年金の切り替えを退職後すぐに行います。確定申告は翌年の2〜3月が期限です。青色申告を利用すれば最大65万円の控除が受けられます。税金・保険料の支払いに備えて、収入の一部を積み立てておきましょう。

参考・出典


この記事の情報は2026年4月時点のものです。制度は改正される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。