株の売却益と確定申告の関係
株式を売って利益が出た場合、その利益は株式等の譲渡所得(じょうとしょとく)として課税されます。ただし、口座の種類によって確定申告が必要かどうかが変わります。
| 口座の種類 | 確定申告 | 特徴 |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 原則不要 | 税金を証券会社が自動で計算・納付 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 必要 | 自分で確定申告が必要 |
| 一般口座 | 必要 | 取引の計算も自分で行う |
確定申告をしたほうがよいケース
特定口座(源泉徴収あり)であっても、次の場合は確定申告が有利になることがあります。
- 複数の口座(証券会社)で損失と利益が出ていて、損益通算(そんえきつうさん)したい場合
- 昨年までの損失を今年の利益から差し引く繰越控除(くりこしこうじょ)を使いたい場合
- 上場株式等の配当所得と損失を通算して税金を取り戻したい場合
損益通算後の課税所得 = A口座の利益 − B口座の損失
補足
損失の繰越控除は、確定申告をした年分から最長3年間繰り越せます。毎年申告を続けることが条件です。
準備するもの
- マイナンバーカード(e-Tax送信に必要)
- スマートフォン(「マイナポータルアプリ」をインストールしておく)
- 特定口座年間取引報告書(証券会社から郵送またはネットで確認)
- 一般口座の取引履歴(一般口座を使っている場合)
- 勤務先の源泉徴収票(会社員の場合)
- 各種控除証明書
- 還付金振込先の銀行口座番号
特定口座の場合、証券会社から送られる「特定口座年間取引報告書」に売買損益がまとめられています。
確定申告の手順
- スマートフォンで国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「作成開始」をクリック
- 「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選択
- 申告の種類は「所得税」を選択
- 「マイナポータルアプリ」で本人確認(初めての場合は初期設定がある)
- 収入を選択
- 「株式等の譲渡(売却)、配当、利子」を選択
- 給与所得や事業所得など、株式以外にも取得した所得がある場合はすべて選択
- 選択した収入を順に入力
- 「金融・証券税制」から株式の譲渡所得を入力
- 特定口座の場合:口座ごとに特定口座年間取引報告書の数値を入力する(複数の証券会社がある場合はそれぞれ追加)
- 一般口座の場合:売却ごとに「銘柄・売却金額・取得費・手数料」を入力する
- 前年までの損失を繰り越している場合は「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」の金額を入力
- 受けられる控除を入力
- 源泉徴収票に記載された控除は、既に年末調整済みなので入力しない
- 入力結果(納税額または還付金額)を確認
- 送信前の申告データ(PDF)を確認
- 「送信」をクリックしてe-Tax送信
- 送信済みの申告データをダウンロード(保存)
- 入力データをダウンロード(保存)
税率について
株式等の譲渡所得に対する税率は一律です。
税率:20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)
給与所得などと合算せず、分離して課税されます(申告分離課税)。
まとめ
特定口座(源泉徴収あり)の場合は原則確定申告不要ですが、複数口座の損益通算や繰越控除を使いたいときは申告が有利です。確定申告書等作成コーナーの「金融・証券税制」から株式の譲渡所得を入力し、e-Taxで送信します。特定口座年間取引報告書を手元に用意してから作業を始めましょう。
参考・出典
- 株式の売却をした方や配当等を受け取った方へ|令和7年分 確定申告特集|国税庁
- 作成コーナーで「株式等の譲渡所得」を入力したい|e-Tax
- No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)|国税庁
- 確定申告書等作成コーナー ご利用ガイド|国税庁
この記事の情報は2026年4月時点のものです。制度は改正される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。